僕は、”正直者はバカをみる”と思っている派の人間です。それを踏まえたうえで正直者には幸せになってほしいと思う側の人間でもあります。現実がどうあれ。
メディアを始めてからというもの、モヤモヤしたり心がザワつくタイミングが何度かありました。風のウワサやSNSで聞きたくもない「リリース3ヶ月で500万PV達成!単月黒字化!資金調達実施!」みたいなニュースを耳にしたとき。それは、半分以上が嫉妬からくる感情なのかもしれません。
でも、その数字が何を意味するのかはよく分からない。メディアと向き合って、真剣に作っている側の人間からすると、その数字が現実的でないことは何となく分かるし、彼らには100万PVを取ることの苦労は分からないと思ってしまう。「数字なんて言ったもん勝ち」だなんて言葉を聞いたこともある、そういえば雑誌の発行部数なんかもそうだったっけ。そんな数字を振りかざして、まるでゴールでもしたかのように「億単位の資金調達をしました」と誇らしげに話す彼らが、なんだか羨ましかった。
今は、自分は自分、他人は他人だって割り切ることができているから、それで落ち込むことはないのだけど、納得できない気持ちもないわけではない。
オリジナルコンテンツとキュレーションメディア、どっちがエライのかの議論は既にしつくされたと思いますが、改めて、僕はヤングメンズのターゲティングではキュレーションメディアが最適解ではないと考えています。単純に肌感なのですが…。
そして、小手先のテクニック(キーワードや広告)である程度の数字は取れるということも知りました。それを知った上で、その数字(ユーザー)には本質的な価値はないと思っています。
そこにコストをかけるならコンテンツにかけたいと思ったし、インフィードで集まった数字よりもコンテンツを評価してほしい。コンテンツが話題になって新規ユーザーの獲得に繋がってほしいと思いました。顔が見えない800万ユーザーよりも顔が見える200万ユーザーがいい。
とはいえキュレーションは、やはり強いと思う。だから、それでお金や数字を稼ぐことも否定しない。ただ、僕自身が企画は作りたい派の人間だし、コンセプトやターゲットが設定されていてもモノクロに見えるメディアは作りたくない。僕は、色があるメディアを作りたい。
一次コンテンツをつくるということは、手間と苦労の連続だ。お金もかかる。
こういう撮影一回にかかるコストは、結構バカにならない。時間も。
非効率だし、不経済だし、ここまで時間やコストを費やしても数字が取れないことだって全然ある。別に苦労が美徳だと思っているチームでもなんでもないんですが、割といい感じにミーハーだし、僕たちの目の前には材料がある。
メディアの色である軸をしっかり持ち、コンテンツに誇りを持って全力で「くだらないな」の褒め言葉と一瞬の笑いを求め続けたい。そう思っていたら、嫉妬とかって気持ちもなくなるね。自分は自分、他人は他人。
そんなこんなでMTRLは今月、月間最高PV更新です!
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