とりあえずね、私は愛がなんだの成田凌が着てる系の、ゆるシャツ×ゆるスラックス合わせるこのコーデを好む男にロクなやつを見たことがない。
たいてい優柔不断で責任を負いたがらず、そのくせ寂しがって酒におぼれてセックスして、相手の気持ちなんて気づいてないふりのクソ男の制服。 pic.twitter.com/XQcjiA7TX2
— プロ失恋ヤー💘ライターミクニ (@oohrin) May 1, 2019
編集者というふわっとした肩書きで仕事をしているけれど、現代文は苦手です。例えば「33歳になったら仕事を辞めて象の飼育員になりたいんだ」と話す田中守(成田凌)の隣で涙を流すテルコの心情を、もっとネガティヴに捉えるくらいには。
だって、あんなセリフを言われて男目線で考えたら「こいつヤベエ奴やん」ってなるじゃないですか。なのに、それを聞いて「この人の未来に自分も含まれている」挙げ句の果てに「田中守になりたい」って思っちゃうんだもん、女心(思考回路)って謎だし現代文のテストだったら確実に解答を間違えます。
土曜日、渋谷の映画館で『愛がなんだ』を観てきました。SNSで話題だなくらいにしか認識しておらず、事前知識なしで行ったのだけど、あんなにエモい気持ちで土曜の午後を過ごすとは…。
ネタバレになってしまうのであれなんですが、誰一人として幸せルートのない一方通行な片想いをしているいい歳してダメダメな登場人物たち。なのに、観た人が絶対に「自分は誰々タイプだ…」と登場人物の誰かに自分を重ねてしまい、その事実にまたバッド入ること間違いなしです。
個人的には夏の終わりの夜にセブンイレブンの駐車場で語り合うテルコと仲原くんのシーンが大好きでした。仲原くんの「幸せになりたいっすね」で涙のダムが崩壊した人は正直に挙手していただきたい。だけど、自分は間違いなくそんな仲原くんにこのようなセリフを言わせてしまう原因となっている葉子タイプの人間だ。
映画館を出る時に、お客さんが女の子ばかりなのに驚いたのだけど、みんなそれぞれが友達と感想を語らっていてテルコに共感している人が多くてビックリしました。わりと個人的にはテルコの一挙一動にドン引きなんですけど…。
佐野調べでは、テルコをそうさせる諸悪の根源:田中守的な男子は東京都だけでも推定20,000人は生息しています。なので、心の弱い女性は世田谷代田方面には近寄らないことをお勧めします。
いつまちゃん(@1256hima)の『来世ではちゃんとします』に出てくる松田健も田中守系の男子の一人ですね。
独断と偏見でメンヘラが彼氏にしがちな人を描きました。 pic.twitter.com/Iu8Ap8nNa1
— いつまちゃん👾来世ちゃん2巻7月発売 (@1256hima) 2017年5月28日
つまるところ、『愛がなんだ』を観て「愛ってなんだ?」と疑問符をつけて帰ってきたわけです。
可愛い女子大生の「今は、彼氏いないんだよね」の90%に”彼氏じゃないけど彼氏っぽい男”の存在があるように、誰しもが「恋人」とか「愛」だとかという型に収まらない関係性を経験したことがあるはず。
だけど、その関係性にどう折り合いをつけて自分を納得させて次に進めるかどうかが、本当の意味で幸せへの第一歩であり成長なのではないだろうか…と仲原くんのことを見て思いました。
「好きを辞める」が言葉以上にどれほど難しいことなのか、それはきっと誰もが共感できることだと思うから。
他にも妙にリアルで「これ自分だわ…」が重なるシーンの多い『愛がなんだ』でした。ちょっと遅めの鑑賞でしたが、ぶっちゃけこないだ観たゴジラよりクソ面白かったです。
2019年ももう折り返しの月。えちちな夏が始まります。
幸せになりたいっすね…!
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